とあるデータセンターでアルバイトなお仕事をしているのですが、
「IPMIが繋がらない旨の連絡がありました。」「IPMIの結線からお願いします。」など、IPMIという聞き慣れない単語が頻繁に飛び交っていました。
よくわからずサーバー構築作業を行うのが気持ち悪かったので、少し調べてみました。
あいぴーえむあい 【IPMI】 Intelligent Platform Management Interface
SNMP(Simple Network Management Protocol)やDMI(Desktop Management Interface)などのサーバー管理ソフトウェアが、特定のハードウェアシステムやOSに依存することなく、サーバーハードウェアをモニタ可能にするための標準インターフェイス仕様。具体的には、このIPMIを通して、サーバーの温度や電源、ファンの状態などを監視できる。IntelとDell、Hewlett-Packard、NECによって策定され、仕様が1998年2月に発表された。
ASCII.jpデジタル用語辞典より引用。
「その場にいるかのようにサーバーを監視・操作できる環境を、ネットワーク越しに実現する技術」
とわかると、
「便利じゃんっ!!」
ってなるわけですね。欲しくなるわけですね。
というわけで、
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/special/20101027_402687.html
あたりを参考にして、安いくて使えそうなのを探して購入。
http://www.pg-direct.jp/products/detail/6154
IPMIするのに必要なRAC(リモートアクセスカード)付きのものでも23000円ぐらいで買えました。
圧倒的なサイズ感。サクッと開梱して
マニュアルを見ながらRACを装着します。コツが入りますがサクッと取り付けます。
メモリはデフォルトの4GBのままです。
クソ使いづらいHDDマウンタには、HPのHDDマウンタではなくWDの黒HDDがついていました。今回は使用しないので棚にそっとしまいました。
組立後にRAIDを組んだのですが、そのあたりはまた別の記事に書きたいと思います。
そして結線。普通のLANケーブルとIPMI用のLANケーブル、合わせて2本のケーブルを結線することになります。
ネットワーク素人的には
「この2本を同じスイッチに結線するとループするのではないか」という懸念があり、
試してみたところ、スイッチのループ検知ランプがついてしまいました。
そこで、IPMI側だけ一つルータを挟む事により別のセグメントに隔離しました。
http://www.supermicro.jp/library/ipmi-web-access.html
http://d.hatena.ne.jp/yukimi0721/20120728/1343446504
ここなどを参考に、NATとか設定することによりなんとかIPMIのログイン画面にアクセスできるようになりました。
ログインすると、
IPアドレスの変更などを行ったり、
電源のコントロール(ON/OFF/強制終了して再度起動など)をしたり、
各部の温度を確認したり、
ファンの回転数を確認したり、
KVMアラートをメールで投げる設定をしたり(SMTPサーバの設定が必要?)、
KVMに関する設定をしたり出来ます。Launch KVM Viewer をクリックすると、
JAVAが立ち上がり、
警告画面が出ますが進めます。するとウインドウが立ち上がります。
筐体からモニタに出力されるのと同じものがここにも出ます。モニタとリモートのKVMを同時に出力することも可能です。
マクロボタンの中には便利なCtrl+Alt+Delもあり、Windowsのログインなんかに使えます。再起動してみます。
ちゃんとBIOSの設定やRAIDの設定も行えます。アクセス元の光学ドライブを使ってOSのインストールも行えます。
感想
すげー便利。自宅にいなくても物理的作業(HDD交換など)以外はほぼすべて出来てしまいます。
他に遠隔操作の手段はSSH、リモートデスクトップ、VMware ESXiなどがありますが、
SSHはWindowsでSSHサーバを立てるのが面倒、リモートデスクトップは一度通信の許可を行わなきゃいけないのが面倒、VMwareはゲストOSから直接HDDなどのHWにアクセスさせるための設定が面倒、そもそもこれらはOSが入っている事が前提で動くのでOSインストールまでの作業は現地で行わなければなりません。
そういった意味ではすごく使い勝手がいいのではないのかなー、と思ってます。
いろいろなツールが出回ってたりして管理を自動化出来たり、システム管理者の方もわざわざデータセンターまで赴く必要がなくていいですね。
さいごに
このサーバーにはWindows Server 2012R2を入れてファイルサーバーにし、Hyper-V上にCentOSを入れてWebサーバにしたりしてます。(収録後スタッフが美味しくいただきました的な)
よくIPMIの設定をしていると、IPMIの設定項目のところにBMCという単語を見かけます。文脈的には同義なのだろうと思ってましたが折角なので調べてみました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1486789469
どゆこと・・・・
リモートマネジメントコントローラ(標準搭載)
PCサーバのシステムボード上に標準搭載されている遠隔管理チップ(略称:iRMC/iRMC S2)です。サーバ管理のための標準技術であるIPMI(Intelligent Platform Management Interface)を利用して、ベースボード管理コントローラ(BMC :Baseboard Management Controller)と呼ばれる処理装置を通じ、温度センサー、CPUステータス、ファンのスピードや電圧といったボード上のデバイスを監視したり、リモートからのサーバ再起動や電源操作を実行したり、BIOS設定およびOSコンソール情報に対するリモートアクセスを提供しています。
富士通 PCサーバ遠隔操作ガイド より引用
RMCというネットワーク寄りのパーツがBMCという、ハードウェアを管理してるパーツ経由でハードウェアの監視・操作を行う、これを実現する技術がIPMIってことになるのかな?
っていうかこのページ、記事を書いてる途中で見つけたけどすごく良くまとまってる。この記事いらないぐらい。ワロタ。